痛みのメカニズム

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長引く痛みの原因は、血管が9割

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【Okuno Clinic.】
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  • 「血管」と「痛み」の関係

「血管」と「痛み」の関係

血管と神経

痛みなどの感覚は、普通「神経」によって伝わります。
それなのに、なぜ痛みは「血管」と関係あるのでしょうか?

実は血管と神経は「対になって伴走している」ことが知られています。つまり、常に一緒に存在しているのです。
右の写真は、顕微鏡で血管と神経を観察しています。太めの血管の周りに、矢印で示された細い線維(神経線維)が存在しているのがわかると思います。

このように、血管と神経は一緒に存在しており、痛みのある場所に血管がたくさんできることが知られています。アキレス腱炎やテニス肘といったスポーツの痛みでも、血管が「異常に増えてしまう」のです。

下の写真は、炎症の起きたアキレス腱を超音波で観察したものです(赤や青に色づけられた箇所は血管)。
正常なら、アキレス腱の中にこのような血管は一切見られないのですが、炎症が起きている状態では、血管が存在していることがわかると思います。

炎症の起きたアキレス腱の超音波画像

これは、異常な血管が「生えてしまっている」状態で、この新しい血管の発生に伴い神経も増えてしまうことが知られています。
痛む箇所では血管が増殖しており、そのすぐ近くに神経も増えてしまっている。この「異常な血管」の増殖と、それに伴う「神経」の発生が痛みの原因になっていることが多々あるのです。

運動器カテーテル治療では、この「異常に増えた血管」にアプローチします。余計な血管を減らすことで痛みを取り除き、正常な状態に戻す治療方法です。

では、実際に血管へアプローチしているところを見てみましょう。
下の写真をご覧ください。

踵(かかと)に痛みを感じている患者さんへの治療です。

治療前→治療後

左がレントゲン写真
真ん中と右は同じ場所の血管だけ見えるようにした「血管撮影写真」。黒い線が血管です。

真ん中の「治療前」の写真では、矢印のところに異常な血管が増えているのが分かると思います。患者さんの痛みもここにあります。そこに運動器カテーテル治療を施すことで、右の「治療後」の写真のように異常な血管を減らすことができます。
そして驚くべきことに、異常な血管の流れを止めることで、すぐに痛みが改善するのです(薬を流してから数分後)。

これは、痛みと「血管」の関係を如実に現わしています。
このように、異常な血管を減らすことで痛みを改善させるのが、運動器カテーテル治療のメカニズムです。

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運動器カテーテル治療で使用するお薬について

イメージ画像

運動器カテーテル治療で私たちが使っているのは、「イミペネム・シラスタチン」というお薬です(なんとなく可愛らしい名前ですね)。
「イミペネム・シラスタチン」は、「抗生物質」です。
ご存知の方も多いと思いますが、抗生物質は細菌を退治するために使う薬です。

運動器カテーテルは血管を減らすことが目的なのに、どうして細菌を退治する薬を使うのでしょうか?
実はこの薬は非常に「溶けにくい」ことで有名です。溶けにくいために、少量の液体と混ぜると、溶けずに小さな「粒子」になります。

この粒子をカテーテルで注入すると、細かい血管のところで「詰まり」ます。つまり、異常な血管がたくさんあるところでこの薬を流すと、異常な血管のところに集まってくれるのです。これにより、異常な血管は血液の流れが悪くなり、ダメージを受けることになります。
では、正常な血管にはどう作用するのでしょうか?正常な血管にもダメージを与えてしまい、「壊死」や「損傷」などの怖いことが起きてしまわないのでしょうか?

結論としては、問題ありません。

今までに400人以上の患者さんが「イミペネム・シラスタチン」の粒子による治療を受けていますが、「壊死」や「損傷」といったことが生じたことは1例もありません。
病気で新しくできた異常な血管は「血管としての経験」が浅く、トラブルに対応する能力が低いといえます。一方で、正常な血管は生まれた時から存在しており、すこし流れが滞っても、再び血液が流れるようになる(再開通させる)仕組みがあるのです。
「イミペネム・シラスタチン」は、溶けにくいものの最終的には溶けてしまいます。
つまり、正常な血管では最終的に溶けて流れてしまい、異常な血管にはきちんとダメージを与えることができる、非常に安全性が高い優れた薬剤なのです。